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風をあつめて 第12章

2015年10月17日(土)/at MUSICASA
朗読:松浦このみ
ピアノ:西村由紀江
作品:山田宗樹作「代体」/梨木香歩作「ハクガン異聞」

朗読と音楽のコラボレーションをするとき、こう読みたい朗読者と、こう演奏したい音楽家が、同時に存在することになる。
その「こう」が、あまりに違っていると、聞き手は混乱するし、あまりに一致していると、生命力がない。
過去12回の「風をあつめて」シリーズの中で、今回がある意味、一番、それぞれが力強くその「こう」を主張し合えたかもしれない。
12年という年月が、、そのくらいの主張をしても、最終ゴールは同じところを見据えられる、という暗黙の信頼感を育ててくれたな、と、続けてこられたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。
さらに、聞きにいらしてくださるお客様のほうに、むしろ幅広いものを受け止めてくださる器がある、ということも、今回は強く感じました。
そんな様々な勇気をもらった公演です。

ここからは私個人の話になりますが、ある時期から、私は特定の師匠を持たずに、朗読の練習をしています。
ただそれでは独りよがりになるので、必ず、信頼のおけるどなたかに、練習の過程で、聞いていただき、感想をもらったり、改善点を指摘していただく。
それは毎回とても刺激的で、ある程度混乱します。
温室の中で育てたものを、一回外の風にあてる感じ。
そしてまた、一人で、つくり直して練習をする。
このやり方が最善なのかどうかはわからないけれど、自分には合っているかな、と思う。

今回、この役目を担ってくださった方に、この場をお借りして感謝申し上げます。
そして、応援してくださったお一人お一人に、心から、ありがとうございます。

松浦このみ